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反射を確認しましょう。

リハビリは関節を動かすことだけであると思われてはいないでしょうか??

実は、子供の発達を評価したりすることもあり、乳幼児の時期は大脳が発達していないため、反射を利用することが多く、これにより日常生活において起こる様々な危険を回避できるようになっています。

ある一定の時期を過ぎると、消えていくものもありますが、熱いものを触れたときに急激に手を引っ込めたりなど、生活上生きていくために必要な反射も成人を過ぎても残るものもあります。

ですので、理学療法を行う際、前もってこれらの反射などを確認を必要とする場面もあるのです。

私は、立たせる訓練の前に確認しておくことがあります。それは、伸筋姿勢性突伸と、踏み直り反応、立ち直り反応です。

まずは、伸筋姿勢性突伸です。

反射を確認しましょう。_c0145975_21543100.jpg


モデルはウルです。上の図では、空中に浮かせて、後肢をつかせるようにしています。これを床につけるとどうなるでしょうか?乳幼児でもそうですが、正常では立つために急激に下肢の伸展活動を高めます。つまり、立つことを予測して筋活動を高め、その準備をしているのです。

反射を確認しましょう。_c0145975_2161594.jpg


ウルは正常ですので、やはり、伸展活動を高め、支えています。ここで、体幹をもっている手を
少しずつ緩めていきましたが、今度は、自分で立とうと体幹にもその反応が出てきて、立つことへの準備を始めました。

では、異常を呈してしまった犬ではどのようなことが起こるのでしょうか?次回こそ写真に載せたいのですが・・・、床が地面についてもナックリングしたままであったり、その脚を修正したりすることはなく、そのままです。つまり、立つための準備に乏しい状態ですね。

これが、伸筋姿勢性突伸です。

反射を確認しましょう。_c0145975_2164411.jpg


そして、上の図ではそこから踏み直るかどうかを確認しています。右・左へと交互に操作し、体幹の位置がずれていけば、その情報に合わせて、脚の位置を直していくというものです。これがないと、歩くときに脚の位置が変わっても、修正できないことが予測できます。

まずは、いきなり立たせるのではなく、こうした反応を確認することで、立てる時期なのかどうかが確認できます。
もし、これらが確認できなければ、別のプログラムを考慮する必要性がありますので、無駄な時間が省略できるわけです。そうすれば、犬への負担も少なくなりますしね・・・。

by kengou0820 | 2008-11-02 21:25