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慢性関節炎に挑む

ここ、数年で犬の世界にも浸透しようとしているリハビリテーション。

どのような世界にも必要性があるということを改めて認識させられたのと同時に、今後はその効果というものを実証していかなければなりません。

そのターゲットとしているのが、関節炎です。

ゴールデンやラブなど大型犬・チワワなどの小型犬に多く見られるのが特徴ですが、オーナーさんは一度こうした異常を持ってしまった場合、長期間不安と戦わなければなりません。

しかし、多くの場合、こうした症状を軽減させることは可能であると思っています。

一つには、「慢性痛症」というものを考えています。

そもそも痛みというのは、末梢組織に傷害がなくとも神経系に新たに生まれた可塑的な変容が源となって発生するものであり、身体が生理的機能を正常な恒常性のレベルへ回復させられるか、させられないかが問題となります。

ですので、組織が治っても急性痛が長引くものもあり、神経系のコントロールが必要なものが多いことにあります。

痛みがあるということは、それだけ無理な姿勢などを要求されます。つまり、痛みを回避するための行動が常に選択されるということです。これを、神経系が学習されるとちょっとした歪みなどの情報が痛みにつながる可能性があると思われます。

ですので、傷害が治っていたとしても、この神経系のコントロールが慢性関節炎において大事となるわけです。

これは、申し訳ありませんが、プールで泳いだり・歩いたりすることだけで治るということは、必ずしもありません。中には、本当にケアしていかないと、再発するにも関わらず、継続して運動のみを実施しているケースが多くありません。

こうした運動コントロールは、オーナーさんは分かるはずもなく、評判だけを聞きつけて、関節炎などの中身も知らないスタッフに運動を勧められ、また痛みを発症してしまう・・・。こんな悪循環を繰り返したケースもありました。

適切な身体に合わせた運動プログラムは、残念ながら獣医師や獣看護師ではなく、理学療法士しかできません。それも症状にあわせた個別的なリハビリテーションは、今後必ず必要です。

自分の愛犬をプールに入れる前にもう一度考え直しましょう・・・。

本当にそれが治るための運動として、適切なプロセスをたどっているかを・・・。

by kengou0820 | 2009-09-27 23:19 | リハビリテーション実践日記