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泳ぐよりもたち続けることが大事

ちょっと遅くなりましたが、先週の出来事です。

先週は、過去最大の3件の水治療法を実施しました。

中腰でほとんど行うため、帰るときは腰が悲鳴をあげていましたが、今は大丈夫です。

それよりもケーススタディとして学ぶことが多かったので、報告いたします。


周知のとおり、私は必ずしも泳ぐことがプラスとは思っていません。実際、今見ている症例の子は、左股関節の障害があるのですが、左足の筋力強化目的でいったにも関わらず、右足のほうに力強さが増しただけで、肝心の左足には結果を残せていません。

では私はそこまで言い切っておきながら、なぜ水の中での練習を行うのでしょうか???


理由はいくつかありますが・・・、もっとも私が重視していることは、立つ姿勢を維持することにあります。

 ⇒これは、日常生活における移動はハーネス等で散歩は行うも、普段は両足は常に休んだ状態にあるコーギーのステラちゃんの例です。

 ステラちゃんは、立つ姿勢を維持するにはハーネスや車椅子に依存する形となります。

 ところが、水の中では浮力の影響もあり、そのほとんどの時間で立ってられるのです。

 しかも、おやつをモチベーションとして、歩くこともできます。

 こうした、普段取れない姿勢を取らせることで、立位感覚の維持と、抗重力筋を少しでも活性化に結びつけることが目的です。

 ただし、水の中ですので、重力はありません。ですので、この姿勢の中で抗重力筋をトレーニングすることが目的となります。

 
 オーナーさんにもこのことは確認していただきました。

 明らかに来たときよりも水の中で歩いた後のほうが、ハーネスを使ったときも足の裁き方が違うように思えるとのことです。

 実際に見学して、実践もしていただいているので、自宅でも応用が可能です。

 週2~3回、お風呂の残り湯を利用して行っていただくように伝えました。

 次回はどのように変化しているか大変楽しみです。

 いずれは、水の中で歩くトレッドミルも視野に入れていますが、思うほか効果がありそうなので、適応症例があれば、目的を明確にして行っていきたいと思います。
 
 水は、あくまでも水ですので、目的を持って利用してください。

 もし、分からなければ私に一報くだされば、ご相談にのります。

 大事なのは、水治療の効果が犬に表れていることが、オーナーさんも分かるということです。

  
 グーちゃんはじめ、水の中での治療を必要とする子はたくさんいます。

 グーちゃんも立つことをやめてしまっているあるいは忘れてしまっている症例の一人です。

 少しでも、立つということができることで、立つ時間が上がったり、排尿などの反射にも影響を与え始めています。

 次の段階も色々考えています。
 
 決して方法は一つだけでなく、その中で何かいつもと違う反応が出れば、次へと挑戦していくことが非常に大事です。

 私は、その子の持つ可能性を無限に求め続けます。これからもずっと・・・。
 

by kengou0820 | 2010-04-04 21:23 | リハビリテーション実践日記