自分の身体に気づく

通常、私たちは自分の身体に特に意識することなく生活していますが、これは脳という中枢神経系が環境に応じた行動面の決定をしているからであると考えられています。

そして、中枢神経系に障害を持つとその行動面に著しく障害を受けるため、環境に適した行動が取れにくくなります。

これは、犬にもいえることであると考えています。経験上、後脚の自由が利かなくなったことでさらに自分の下半身を意識することなく、まるでそこを無視するかのような行動をよく目にし、それが、前脚の過剰なバランス反応として確認できます。

こうなると、前脚中心の生活となるので、さらに後脚は消去されたかのような行動で、この積み重ねが後肢の筋力低下・感覚障害を強めるのでは??と考えます。

私が今特に気をつけているのは、自分の失った感覚に対し、気づけることにどうつなげるか?ということです。

本来、犬は耳・背中を掻いたり、感情を示すときは後肢・尻尾ではカーミングシグナルがあるように喜怒哀楽を示しますし、犬の下半身は重要な役割を果たしています。(もちろん、上半身もですが・・・。)

これには、介助でもただ関節を動かすだけでなく、そこにどんな意味を持たせるかということが非常に重要になってきます。

私は、以下の言葉から、まめちゃんなど発症から長期間経過してしまった症例に対し、特に意識付けをしています。

①〔身体像(ボディ・イメージ)〕
 身体の内部からの感覚刺激や外部からの触覚刺激による身体のイメージで、自己存在やすべての運動の基礎をなす重要な要素です。
 いわゆる、感じられるままのからだということです。

②〔身体図式(ボディ・シェーマ)〕
 骨格のいろいろな部分を自動的に調整したり、姿勢を維持するため筋肉を緊張、弛緩させたりすることで、ころばずに移動したり、両側運動、正中線交差運動などの能力の基礎となっているものです。
 ラテラリティ(左右の概念、優位性)や方向性の概念が含まれています。

③〔身体概念(ボディ・コンセプト)〕
 自分の身体部位などについての知識(名称や機能について)や認知の概念のことで、自己意識の基礎となるものです。

 もっとも重要なのは、ボディ・シェーマです。刺激を加えることで得られたイメージをどう表現していくかが大事になってきます。

 私の課題でありますが、ただ立たせるだけでは、足りないことを感じていました。ですので、ラテラリティにあるように、両脚での活動・右前脚・左後肢といった対角線上に行なう運動、寝返りなどの正中線交差運動はボディシェーマを高めていく課題となります。

 人間の子供でも、まずは頭が座り、物にリーチして正中線交差が始まり、うつぶせ、座位、立位活動へと発展していきます。

 こうした過程を考えると、犬においても、犬らしさを取り戻すためには、ただ関節を動かす・立たせるだけでなく、その犬の個性(今まで生きてきた中での動き方・姿勢の癖など)を取り戻すことにあるような気がします。

 その個性を考えると、暴れていても急に落ち着いて言うことを聞くようになったり、気にもしなかった後脚を急に見つめたりと、何らかの変化を感じることが出来ます。

 概念こそ難しいですが、要はその子の個性を考えて、どうすれば犬らしさが出るかということで、ボディシェーマが変わってくると思います。
 
 今後は、これを基礎とした展開をもっともっと広げていきたいと思います。なぜなら、私には現在の状況ではハイドロセラピー・トレッドミルのような、高度な機械を使ったりすることができませんので・・・。
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by kengou0820 | 2008-10-14 22:29 | トピックス