カテゴリ:リクエストコーナー( 6 )

ハムストリングスをもう一度勉強します!!

今日は、リクエストに対する返信コーナーです。

今日のテーマは、背中が丸い子に対する考え方です。

まずは、この文章を解釈していきますね・・・。

>色々なところからこちらのブログに行き着きました。

>今年の2月にヘルニアの手術をした3歳半のアメリカンコッカーの女の子がいるのですが、術前のヘルニアの重度から約4ヶ月たった今はお外にもお散歩に行けるレベルまで回復しました。

>今気になっていることは、手術をした背骨部分が盛り上がっているのですが、歩く姿勢が背中の真ん中辺りを中心に頭とお尻が下がった状態で歩いています。
力が主に前足にかかっており、時々食事時にご飯を一生懸命食べようとするあまり、後ろ足が持ち上がってしまうような状況です。

>上記に書かれているとおりこれはヒップダウンとそしてヘッドダウンとでも言うのでしょうか。


ヘルニアは難病ですが、ここまで回復できたということが素晴らしいですね。

しかし、問題が全くないわけではありません。

まずは、背骨の手術部分を中心にお尻が下がった状態であることは、ヘルニア4か月経過後に引き起こされた筋力低下を考えていくべきです。

そして、その筋肉は以前にも紹介した抗重力筋であるハムストリングスの筋力低下が一番に考えられます。

ハムストリングスについては、以前のブログに載せております。

反射の強化と落ちていないかという確認のためにも、肉球を刺激し、引っ込み反射を利用した膝の屈曲運動を行います。

膝屈曲の主動作筋は、ハムストリングスです。

また、この筋肉は、立っているときは、表側の大腿四頭筋と協調して姿勢を維持するために働きます。

ヒップダウンの状態は、ハムストリングスが筋力低下を起こした際に見られる私が名付けた現象の一つです。

大腿四頭筋との関係性の中で起こることですが、ハムストリングスのほうが鍛えることでこれらの姿勢の改善が見られましたので、おそらく問題はここであると思います。

鍛え方に関しては、過去のブログを参照していただければ載っていますし、希望があれば改めて写真を交えながら書いていこうと思います。
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by kengou0820 | 2011-06-16 00:49 | リクエストコーナー

本は何??

今日はiceblueさんからのリクエストです。

理学療法に携わる人には、ある程度の概要・理論などが分かると思いますが、獣医師などリハビリテーションという言葉にさえ慣れていない人にはどのような勉強が必要なのか、正直迷うところだと思います。

私は、普段から確認のために書籍を用いることはありますが、症例から学ぶということを忘れません。

とはいえ、基本的な知識がないとそれさえも見逃すかもしれませんね。

私は、リハビリテーションで大事なことは基本的なこと(用語など)の理解と、実践における評価と治療だと思っています。

そんな中で、このような書籍をおすすめします。
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この2冊にて基本的なことを抑えてみてはどうでしょうか?

下のほうは、評価と治療の考えもありますので、読みやすいかもしれません。

また、ブログ内履歴にも評価と治療などはありますし、私のブログでもできる限り、足跡を残していきたいと思います。

ですので、リクエストをどんどん受け付けますね。
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by kengou0820 | 2011-06-05 02:40 | リクエストコーナー

筋力低下?それとも??

>一つ質問。神経性の筋力の低下などアンバランスが起きている場合、筋トレで神経の退行はいくらかでも抑えられるものですか?トレーニングは筋の退行を抑えるもの?神経のほうまでは分からない?

この症例を含め、色々と考えていく必要性がありますが、まずは一般論。

通常、支えられない・上手く動かせないなどの症状が見られるときに考えるのは、筋緊張です。

筋緊張は前にブログにアップしました。では、筋力とは??

実は、筋緊張と筋力は一体化しています。筋力を示すものは、脊髄レベルでのことで、それ以上から脊髄を調整しているのは脳であり、この過程が筋緊張の役割です。

つまり、筋緊張が明確であるからこそ、筋力を発揮できる状態であるといえます。

では、筋緊張に必要なのは・・・?

皮膚や筋の可動性・長さや神経系の調整力が問われます。

ダックスで考えて見ましょう。

ヘルニアで障害が起こるのは、主に脊髄です。障害により脊髄の中で上手く機能できなくなると、脳からの色々と構成された指令が出されても、脊髄ではその情報を処理しきれません。

通常では、その指令にあわせ、力を変えていきます。そして、課題に向かって最適な運動を作り上げ、脊髄でそれを実行します。

実行できなければ、おそらく、脳では指令を変えざるを得ません。これができないのであれば、こうしようとかプランを挙げていきます。そして、ダックスではやっとできました。前足で過剰に頑張ることです。

こうして、前足で頑張っていくことが増強されていくとどうなるでしょう??

こうなると、後足は機能しなくなりますから、筋緊張は使われなくなります。そうすると、調整する必要性のない筋肉は力を失い、使う感覚も失っていきます。これが、いわゆる筋力低下です。

ですので、姿勢の影響を受けますから、腰が落ちた姿勢などが継続されることで、筋力の低下が作り出されるのです。


大事なポイントとしてトレーニングを行うことは、神経系を強化する上で必要なことですが、

1.姿勢の影響によりアンバランスとなり、得意・不得意な使われ方が継続されているため(筋緊張のアンバランス)、筋力が低下し張りのない状態になっている部分、逆に過剰に力を抜けられないぐらい張りを高めている部分、おおよそこの二つに分けられます。

2.ですので、このアンバランスが作り出しているものを調整し、筋力強化を行うことが重要です。
例えば、後ろ足の運動を行うとき、ハムストリングスを使うときに、膝を曲げる運動を前面の筋(大腿四頭筋)が妨げていたとしたら、これは調整するターゲットとなります。そうしないと、ハムストリングスが働く機会を失わせているからです。つまり、筋力を発揮できません。

3.筋トレは、神経の退行を抑えることはできますが、しかし、適切な運動を誘導していないと、逆に過剰な筋肉の活動を強める結果となります。

まとめとしては、筋緊張の調整を行う(つまり姿勢の調整を見る)筋力が増強されていく(退行を抑えられる)これをみるポイントとしては、できなかったことが増えてきたというのは、材料の一つです。

つまり、できない動作を行えるということは、筋緊張の調整力が向上しているといえますので、筋力の幅をしっかりと使えているといえます。この状態のときは、神経系を強化しているでしょう。

できてたことができなくなったというのが、退行といえるかもしれませんね。
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by kengou0820 | 2011-03-17 23:11 | リクエストコーナー

前庭症候群のリハビリテーション

今日は、新たなリクエストがありましたので、アップしたいと思います。

さて、症状ですが・・・、

>前庭障害がみられ斜頚があり、右旋回します。
>眼振はありません。
>後肢の筋力の低下で立ち座りは難しく、立位姿勢は保持できません。
(介助ありで起立は可。立たせると右旋回)
>右下横臥姿勢。前肢は今のところほぼ問題なし。
>後肢、尾、肛門の反射、あります。

>斜頚の程度を抑えていきたい。
>立ち座りができるようになるといいなあ。。。です。
 (ちなみに14歳、スピッツ、♂です)

これらの症状から、リハビリテーションを考えてみたいと思います。

まず、この様子から推測されるのは、前庭症候群ではないかと考えられます。ただし、眼振がないために確定的とはいえません。

斜頸などは、これらの症候群の中では特徴的な症状です。わたしが以前見たことのあるpao君という症例とよくかぶります(以前のブログに掲載してあります。)

そのときに最もポイントとしていたのは、失調症状です。

よく、立てないからといって、その理由が筋力が低下しているからと思いがちですが、実は、力があるにも関わらず、姿勢を維持できないことがあります。

要するに、筋肉のそれぞれが立位などの課題達成におけるコーディネートが困難な状態です。

つまり、前回述べたように筋緊張の問題があると思われます。

pao君も立たせると、どちらかの方向に特異的に旋回し、転倒していました。立位訓練は重要ですが、まずは、高齢という事を考えていきましょう。

つまり、床上動作ができるかということです。

立たせることが困難な場合、もちろん練習としては不可欠ですが、もっと、生物的そして、最低限生活を営む上で重要なのは、寝ている姿勢とそこから変化していく寝返りや起き上がり動作であると思います。

この子は、その動作が可能でしょうか??右下横での臥位が中心のようですが、左側へ寝返ることが出来ますか?

もし、出来ない場合は、偏った姿勢を維持していることから、床ずれが出来る可能性があります。タオルをしっかり敷いたり、身体を回しやすいようにポジショニングを行うべきでしょう。

それが、筋緊張を変化させていくきっかけとなりますし、こうした姿勢の変化はいずれは立位へとつながっていくはずです。

寝返り→起き上がり→立ち上がり→立位保持→歩行そして、その逆をたどる内容を行っていたと思いますが、基本的には、こうしたオーナーさんがしっかりとできる可能性が有り、なおかつ、身体管理を行える寝返り・起き上がり・ポジショニングが重要であると思います。

もっと、普段の生活をピックアップしていけば、恐らく、立たせることだけではない問題と、管理していかなければならない問題が浮上するはずです。

是非、過去のブログを参照にしながら、リハビリを行ってみてください。
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by kengou0820 | 2011-03-12 20:46 | リクエストコーナー

くも膜嚢胞に対するリハビリテーション

今日は、リクエストコーナーです。

私も今回の名前の疾患は初めてなのですが、色々と調べてみました。

頭蓋骨と脳の間にくも膜と呼ばれる膜がありますが、これに覆われた隙間をくも膜下腔と呼びます。

そこは脳脊髄液という水で満たされています。時にこのくも膜が袋状になって水がたまってしまうことがあり、これをくも膜嚢胞といいます。先天的であることが非常に多いそうです。

(相談者様より・・・、相談内容を改変しています。)
現在は立位をとらせると後肢の折れが認められます。

少し後肢を触ったりすると1分くらいは膝が伸びた状態で立ってられます

歩行は膝が曲がったままで、右後肢が内側についてしまうためバランスを崩して転ぶことが多いです

後肢の内側の筋肉の緊張が高く、足がクロスした状態になってしまうことがあります

急いで歩くと脊髄反射様の歩行となります

前肢の力も弱く、体を支えきれないことがあります

背中はかなり猫背です

直腸膀胱障害は無く促し、介助で可能です

この中で重要な情報はどれでしょうか??

中枢神経系の障害もありますので、大事なのは、足がクロスすること、背中が猫背であること、バランスを崩す、ですね。

足がクロスするということは、異常緊張が伺えます。

異常緊張とは、通常私たちが何かをするとき、いわゆる筋力だけでなく、調整力というものが必要となります。

つまり、何かに持とうと思ったら、強さだけでなく、物に合わせて持ち方を変えたりしていかなければなりません。

この緊張状態が上手く調整できないときが異常緊張です。ですので、様々なところにその異常緊張が分布されている可能性があります。

ですので、足のマッサージだけでなく、お腹周辺や股関節を動かしたりすることが必要となります。

場合によっては、猫背ということもあり、脊柱の動きを入れていく必要性もあるかもしれません。

脊柱周辺の筋肉のマッサージは、是非行ってみたほうが良いかもしれません。

バランス訓練については大型犬であれば、立たせた状態でお腹を上から持ち支えてあげた状態で、右方向・左方向へゆっくりと揺さぶり、片方でしっかりと支えつつ、バランスに必要な全身のコーディネートを行っていく必要性があると思います。

頻度は関われる範囲としていますが、バランス訓練のような練習は短時間・高頻度が望ましいです。

まずは、1分間の立位時間を2分~5分などにし、やがて立ったまま食事ができるなどの目標を持っていくといいと思います。

あまりに、難しい目標はやる気を失う元です。できるだけ簡単そうな目標を設定することで、モチベーションの維持につなげることが重要であると思います。
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by kengou0820 | 2011-03-10 23:13 | リクエストコーナー

脊椎症関連のリハビリテーションの考え方

今日は、てんてんさんからのリクエストを受け、私が実践している内容を伝えていきたいと思います。

お題は、変性性脊椎症という疾患です。

多いのは、ジャーマンシェパードのようですが、やはりこの犬種が来院されるのでしょうか?

基本的には、予後の悪い疾患と捉えられています。しかも、緩慢な進行性で後肢の不全麻痺(コントロールを失った状態や筋力低下の状態)を呈します。ナックリングなども見られ、バランス・反射などの低下が顕著です。

ですので、最初は、踏み直り反射や膝蓋腱反射などの神経徴候を確認します。これにより、徴候がどの程度なのかを確認しておきます。

見た目の判断では、腰の位置が大きく丸くなり、後肢が屈曲し、ハムストリングが効きにくくなったケースが多いです。

腰の筋肉主に脊柱起立筋が硬くなっており、この部分を動かしてあげるだけで、かなり楽になるケースもあります。

そして、見逃せないのは、腹部の筋肉です。

もし、歩容を確認した時に、後肢が内側について歩いているようなときは、脊柱の丸みに加えて腹部筋が短縮し、股関節内転筋を過剰に収縮させて、歩いている場合が多いです。

腹部の筋肉は骨盤を介して、下肢の筋肉に影響を及ぼしていますので、体幹でいうと、この二つを確認する必要性があります。

それが、軟らかくなってから、おそらく本来の下肢の筋肉の弱化が確認できると思います。

散歩の時に急な膝折れや、ウンチやオシッコの時に、かがむような姿勢を維持できず、お尻が落ちてしまう。
など、日常生活でも、何らかの影響がでていますので、一つ一つ動作の確認を日常生活の中で確認すべきです。

指導内容としては、背中やお腹の筋肉の柔軟性改善や、立たせることが困難な場合、シンクの中で立たせる訓練、後肢を動かす練習などを行い、(後肢に関しては、肉球を刺激した方法)進行を緩和させていくしかありません。

オーナーさんには、こうした維持方法と、生活の中で常に確認していく作業を怠らないように促します。

自宅で行える方法でもっとも良かったと思うのは、シンクの中での運動です。

運動量が圧倒的に少なくなってきますので、こうした練習は、代謝の向上を図ることができます。ウンチの切れも良くなったと報告もありました。

体力を落とさないようにしていくためにも必要なことかもしれません。

ただし、泳ぐことは避けさせてください。
水=泳ぐことをイメージされると思いますが、これは決して良くありません。

泳ぐのであれば、短時間で体力・代謝アップのために行うというスタイルが好ましいと思います。

泳ぐと、逆に足の腰の張りや足の動きが悪くなったこともあり、ケースバイケースではありますが、もしかしたら好ましくない可能性もあります。

以上ですが、もし何かございましたら、またご連絡ください。

できれば、診察の状況や日常生活のことも教えていただくとなおよいと思います。
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by kengou0820 | 2011-02-20 21:25 | リクエストコーナー