カテゴリ:リハビリの研究~文献抄読~( 8 )

クリニカル・リーズニング

約2か月ぶりの更新となりますが、今日はクリニカル・リーズニングについて考えていきたいと思います。

今、理学療法の世界では、このクリニカル・リーズニングの重要性を非常に問われています。


どういうことかというと、簡単にいえば名探偵が犯人をたどりつくときに、一つの情報から様々な推理(仮説)を立て、頭の中で実践検証し、一番確実な証拠にたどりつく仮説から犯人を割り出すときの思考過程といえます。

ですので、医師や鍼灸・マッサージの分野における対症療法とは全く異なる点があります。

例えば、「腰が痛い」と患者さんが来院された場合、多くの医師はその痛みに対する処置(投薬等)は行いますが、その起こっている原因については、X-Pによる骨の確認等は行うものの、軟部組織や関節などまたその痛みを作り出している原因については深くは追求しません。

理学療法では、この痛みを引き起こしているのは「なぜか?」ということを追求していくことが専門性であると言えます。


このクリニカル・リーズニングの臨床実践の中で感じた有用性は、上述したように、「腰が痛い」症状を引き起こしている原因は「腰」に限局しているとは限らないという思考回路を持てるので、問題点を把握する可能性が高い。つまり、幅広く多角的に攻められるという利点があると思います。

ですので、私はこの更新のない2ヶ月間、クリニカル・リーズニングをしっかりと臨床で考えることで様々な発見をすることができました。

職員教育や学生指導の中にも取り入れることで、2~3回指導をすると驚くほど、思考能力「考え方」が変わった人もいます。

ということは、潜在的に持っているということですね。

これからしばらくは、こうした臨床実践例の中でクリニカル・リーズニングについて考えていきたいと思います。
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by kengou0820 | 2011-11-13 10:32 | リハビリの研究~文献抄読~

足部の重要性と臨床的解釈

人が2足直立姿勢を維持するとき、愉一地面と接しているのは、この足部です。

足には、多くのメカノレセプター(固有受容器)が存在し、たとえばバランスを崩しそうになると細かい骨の運動がそのバランスの崩れを検知すると同時に、解決の方向(立て直す)に導きます。

しかし、足の動きに合わせて、上の膝関節や股関節、そして骨盤帯から上部体幹が重心の変化に合わせて筋活動を変化させないとならないので、ナックリングを起こしているようなダックスの症例では、確実性のない立ち姿勢ということになります。

ということは、考えなければならないことは二つ。

一つは、足部そのものの評価。

足の形や体重のかけ方などが上手くいっていないときは、実はそこから上の股関節などが協調しませんので、この状態をリハビリしていかなければなりません。

以下の文献がそれを示しています。

閉鎖運動連鎖(以下CKC)は足底を接地した状態で行い、股関節や足関節の動きをともなうことが基本であり、下肢全体の協調した筋収縮が促されます。身体運動のほとんどが筋群の協調した活動であることを考慮すれば、CKCトレーニングは有効な下肢の筋収縮が行えます。

足部をしっかりと着いた状態を常に維持していくことは、どの人や犬を見ていてもそうですね。つまり、何かの時に足をしっかりと着いていないときは異常であると考えられます。


もう一つは、足部からその上の問題。

つまり、足部がしっかり着いていても、その上の形状が異常であったり、筋活動が起こせなければ同じような現象が起こるかもしれません。

どちらにしても、左右差を確認しながら足部をしっかりと着け、膝~股関節~骨盤帯を見ておかなければならないということは間違いありません。

これは、筋の協調関係を確認するのであり、パワーを見ているのではありませんので、あしからず。

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理学療法の基本は全身の協調と考えています。
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by kengou0820 | 2011-07-08 23:38 | リハビリの研究~文献抄読~

反射における臨床的な解釈

犬の脊髄障害の代表例として、ミニチュア・ダックスフンドやコーギーにおけるヘルニアがあります。

おもに、脊髄の中でも腰椎部に多く、下肢の麻痺や排尿・排便障害を起こすことは知られています。

そして、この回復過程において、よく反射という言葉を聞くと思いますが、この反射はどのように解釈していけばよいでしょうか??

反射は、回復を示すうえで理学療法評価に含まれます。

反射というものは、脊髄ループ(簡単に解釈すると電気コードのようなもの)の中で、感覚情報(触ったり・つねったりなどの痛み・熱い冷たいなどの温度刺激など)を通してこれらの反射行動を起こします。

私たちもこれらの反射のお陰で、熱いものを触った時にもパッとひっこめたりするわけで、ピンチのときにも、こうしたメカニズムが私たちの生命を守るというわけです。逆に、先天性無痛覚症の人は痛みを感じないので、やけどを平気でおったり、骨を折っても分からないということになります。

ということは、私たちが正常発達をしていく段階で、こうした反射に守られながら、重力に抗して生きていく術を正常運動として学習していくのです。

大脳が発達していくに連れて、こうした反射は消失し、随意運動という私たちが日常生活の中で、目的をもった行動に対して、四肢を動かしているわけです。

でも、消失しているはずの反射も、先ほども述べたように何かのきっかけで突然現れます。

つまり、随意運動と反射はお互いが協調しあって、一つの目的動作を作り出すわけです。麻痺した手足は随意運動は起こせませんが、犬では反射が回復するということは、もしかしたら随意運動も起こせる可能性があるのでは?と考えられることもできます。

もちろん、何がおきているのかは分かりませんが、このように仮説を持って行うことが大事であると思います。

反射は、大事な要素の一つであるということを理解しておけば、リハビリテーションにおける幅も増えるかもしれませんね。
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by kengou0820 | 2011-07-06 22:13 | リハビリの研究~文献抄読~

感覚とは

今日は、感覚について考えていきたいと思います。

ひとまず一般的に感覚というと考えられるのは、絵を描く時の筆のタッチの感覚や、運動をしているときに身体を動かす「この感覚だよ!」なんて使う場面をよく見ます。

要は、何かしら課題や環境に対して働きかけるときには、何かを情報として身体で受けながら、運動を介して表現し、感覚していると言えます。

感覚の定義は、特定の器官を通じて外界環境や身体内部に関する刺激を選択的に受容し、上位の大脳にその情報を送るとあります。

大脳は、その情報を基に運動を組み立てたりして、脊髄で実行させます。その時の姿勢なども様々な経路を使って同時進行に進めているわけです。


ところが、障害を受けた人・犬はどうでしょう?

麻痺があるということは、運動だけでなく、感覚器官である皮膚や筋肉そして、その中にある感覚受容器にも影響を及ぼします。


こちらが、Aという適切な刺激を感覚器官に対して入れたとしましょう。
(Aという感覚を皮膚のマッサージとします。)

ところが、麻痺により感覚に異常がある皮膚に私たちが思っているような触り方で行うと、Aのつもりで送った感覚が、実は脳ではBという感覚を受容する可能性があります。

その結果、脳は快・不快を表わし、不快であれば嫌がったり、最悪怒ったりするわけです。

となると、一工夫が必要です。

ただ、触るだけでは決してなく、触った時にどのような反応を示すかといった感覚の強さなどを変えなければなりません。

なので、ただ触ることが大事ではなく、触り方が非常に重要なのです。


今回のように勉強会や日々の臨床の中で感じたことを素直に文献を通して記述できればいいなと考えています。

では、次の機会には様々なエビデンスなども通して、綴っていきたいと思います。
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by kengou0820 | 2011-07-04 01:44 | リハビリの研究~文献抄読~

関節可動域を考える

リウマチという疾患は、多くの方はご存じのことであると思います。

簡単にいうと、関節をこわばらせ、やがて壊していき、生活の質を落とす、あるいは、生活そのものも奪ってしまう病気です。

現在でも、その原因はよく分かっていないようですが、怖い病気であることは、実習時代に経験したので、承知済みです。

実は、犬でもこの疾患は見られます。

でも、痛いかどうか動かしてみたいと思うが、実際には動かすことがこわいといわれる方は多いです。

今日は、実際に最新のリハビリ研究の中から、関節可動域訓練を考えていきたいと思います。


人間のリウマチに対する運動療法を施行するにあたり、注意すべきポイントは・・・、

①関節痛がある場合は、温めて行う。

②安楽な姿勢をその人に応じて見つける。

③痛みが2~3時間以上続く場合、翌日の負荷量を減らしていく。

④最初は痛みがあるものの、運動開始後1時間くらいで減少していく場合は、なれないための痛みであり、運動を休止する。

⑤関節可動域は「少し痛いかな?」というぐらいで行い、一日1回は最大限に動かす。


というのが、原則のようですが・・・、実際には、③と④はその人の訴えを基にする場合が多いので、わかりにくいと思います。

ですので、大事なのは、①・②・⑤となります。


手順です。

特に、①は、どんな関節痛のある場合にもある程度温めることで、中の組織が柔軟性を回復しますので、大事です。

そして、関節を動かす前に、筋肉・腱などの軟部組織を最初にマッサージしておくと、動きが良くなります。

それから、関節を動かしましょう。5~6割の可動域:「ここでは、対象者が安心して動かしてくれる範囲と仮定します」

次に、関節の可動範囲を広げていきます。10回ほどウォーミングアップを行った後に1回だけ、8~9割ぐらいの可動域「ちょっと痛いあるいは痛いけど何とか我慢できる範囲」の関節可動域訓練を行ってください。

少々、苦痛に感じるのはこの1回だけです。しかめつらや表情があまり良くないと強すぎるかもしれません。

これを一日1回だけのその人のフルに近い可動域を取ることで、関節の維持をしていくのです。

どの人でもそうですが、関節を動かす際にあまり苦痛が伴うと、逆に防御的になるためよくないのですが、5~6割の時のような状態ができるだけ続いたような8~9割の可動域訓練を確保できればよいと思います。

この感覚をつかむのは難しいのですが、何日か行っていけばできるようになります。
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by kengou0820 | 2011-05-03 16:07 | リハビリの研究~文献抄読~

歩行量について

私は理学療法士ですので、様々な情報を日々得ることで、技術向上に努めています。

出来る限り、臨床に結びついていくことが大事であると思いますので、今後は読んだ文献の中から、色々と考えていくようにしていきたいと思います。

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健康を維持するために、一般に1日10,000歩以上歩くとよいとされている(星川、1986)。

その根拠は、一日の運動量として推奨される300KCAL(厚生省保健医療局健康増進栄養課、1984)に相当するのが、およそ10,000歩であることに由来する。しかし日本人の成人の大多数は10,000歩には届いていないのが実情である

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これは、介護予防の分野の中で、健康を維持するために歩く量としての理想を述べたものです。

いうまでもありませんが、一日10000歩も歩いている人は殆どいないと思います。

私も、最近は自転車にて歩数にしたら約7~8000歩稼いでいるようですが、それでも足りませんね・・・。


では、障害を持った人がよく聴いてきます。

「一日どれくらい歩けばいいですか??」

同じ理学療法士さんであれば、一度は聞かれたこともあるかと思います。

私も職場だけでなく、オーナーさんにもよく聞かれます。

こうした文献は、主に説明の中で引き出していきますが、理想と現実ということをテーマにしなければなりません。

極端にいえば、1000歩歩くと痛みが出たりしている人にこれだけの量を歩いてくださいといっても無理でしょう。それでは、予防策としては成立しません。

どうすればよいのか・・・?

オーナーさんに、例えば楽に歩ける時間は?距離は?を聞き出します。

時間は10分、300m程とします。これなら、快適な距離や時間であると考えられます。

要は、意欲的になることに結びつけることで、こうした理想の数値に近づいていくようにしていけるわけです。

ですので、理想の数値と、現実場面での戦略がリハビリテーションでは必要となります。

文献は、こうした現実場面での根拠作りに必要なことです。


こうして、今日も新たな日が幕を開けました。

また、新しい情報を得るためにこれから勉強していきます。

そして、リクエストも受け付けていますので、一緒にリハビリと言うものを考えていきましょう!

多くの方がその人なりの輝く姿を取り戻すことは、人間の尊厳を維持するために必要なことです。
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by kengou0820 | 2011-03-29 00:08 | リハビリの研究~文献抄読~

プロトコールの作成

今後の課題としてある程度誰でもマニュアルとしてできる方法も必要性があります。

いわゆるプロトコールです。

これは、特に手術後の症例に対し、疾患ごとに何日目に何を行うというものです。例えば、5日目に立位訓練、10日後に歩行訓練など、特に大きな障害がなければ、このとおりにリハビリを進めていくことが特徴です。

私は、普段から個別性を出していますが、ある意味こうしたマニュアルは必要であると思います。

一番のメリットは、ある程度の回復度合を示すことが出来るということ。

例えば、その期間に到達していない場合には、リハビリテーションの方針以外にも、再診察の実施など場合によっては全ての部署が方針の変更を行えるわけです。

ですので、同じ疾患のデータをできるだけ集める必要性があります。

その中で近似値として数字を挙げていくことで、こうしたリハビリテーションの方針を定めることができると思います。

来月からはいよいよ横浜でリハビリテーションを実施します。

少しずつこうしたことを意識しながら、進めていくことがシステム作りに必要でしょう。
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by kengou0820 | 2011-03-22 23:18 | リハビリの研究~文献抄読~

自然な力

犬には自然な力が宿っていると聞いています。

自然に培われている力を引き出すには、いくつか要因があるとのことですが、その一つに食事です。

犬は、嗅覚が発達していますが、毎回同じものを食べていると、適応行動の変容性が乏しくなるそうです。

これは、もしかすると、疾患を帯びてしまった犬にも何か特徴はあるかもしれません。

つまり、手足や体幹の動きが制限されるということは、食事などをする行為もしくは、口腔器官そのものにも何かしら影響を及ぼすのではないかという仮説です。

これをモニターとして様々な症例のオーナーさんに聴取してみたいと思います。

リハビリでは、こうした仮説検証作業を繰り返し、それをエビデンスとして残していきます。

また、何かしら報告します。そして、何かしらかかわりがあるとしたら、リハビリテーションにおいても導入の余地がありそうなので、実践していこうと思います。001.gif
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by kengou0820 | 2011-03-08 23:19 | リハビリの研究~文献抄読~