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クリニカルリーズニング ケース膝疾患

今回は、クリニカルリーズニング実践例を紹介したいと思います。

前回では、理学療法は対症療法ではないことを重点的に伝えました。

では、現場ではどのようなことをしているのか??

一つは探偵や刑事のような一つの情報から色々と推理すること。と述べました。

つまりは、一つの現象から多くの考えを持ち、効率のよい評価・治療を選択することの一連の流れをいいます。

多くの考えを持つということは逆に効率が悪いと考えてしまいがちですが、これは本来、学生時代に行ってきた臨床実習に似ています。

多くの評価から多くの問題点を上げだし、そして、治療をするといったところでしょうか?

でも、当時の私には、それが精いっぱいでそれ以上は考える余地もありませんでした。

今いる学生にも、そういうことを求め、私たちが同じ歴史を繰り返している可能性があると思いました。

なので、改めて今後の自分自身そして、同僚などの教育のためにも、こうしたクリニカルリーズニングが必要となるのです。


と話は長くなりましたが、今回は人の例で、若い男の子で事故のために高原骨折をし、膝関節のROMが現在伸展-10度・屈曲100度付近に回復してきた例を挙げます。


入院時のROMが膝屈曲80度・伸展-20度を考えると、ここまでこれたら、一つの区切りとして何とか良かったと思っていたのは、今までの自分です。

しかし、ここで、問診などを繰り返し、徹底的に情報を抽出していくことにしました。

例えば、曲げるときに、ただ曲げるだけではなく、

曲げはじめ?
曲げる途中?
曲げる最後?
曲げるところから伸ばすところへ切り返すとき?

少しくどかったですが、曲げるという行為だけでも、これだけの考えられる部分が存在し、曲げられないから関節を曲げる、筋肉を緩めるというだけではなく、

「どの相で問題が起きているか?問題が起きている部分を明確化する!」

この方で言うと、切り返すところに問題がありました。

特に訴えで、曲げるときに「内側が痛い。」とありました。

うつ伏せで評価したのですが、股関節は大きく屈曲・外旋し、大転子あたりにも疼痛を訴えていましたので、運動パターン(動かし方)に大きな影響があることを仮説立てられることができました。


そして、検証です。


股関節を中間位にし、膝をコントロールしようとすると、膝裏のハムストリングスの内側側特に半腱様筋という筋が、膝を伸ばすときも曲げるときも常に収縮していました。

そして、それを痛みとして訴えていました。

反対側では、伸ばすときは遠心的に収縮していましたが、曲げるときにはむしろ緩んでおり、曲げやすくなるように流動的になっていることが言えますが、この術側では、膝蓋骨の動きさえも途中で止まるぐらいの筋収縮でした。

ここでは、3つのことが確認できました。

1.膝を曲げるのに、股関節まで大きく運動に用いている。

2.痛みがあったのは、筋性で、持続的に収縮した状態で相反的な交互運動ができていない。

3.筋力があるにも関わらず、動かせないということは、こうした収縮の切り替えトレーニングを考えていく必要性がある。

ということです。

この3つを念頭に治療を進めていきました。

その流れをまた次回に報告したいと思います。
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by kengou0820 | 2011-11-29 22:35 | リハビリテーション実践日記

クリニカル・リーズニング

約2か月ぶりの更新となりますが、今日はクリニカル・リーズニングについて考えていきたいと思います。

今、理学療法の世界では、このクリニカル・リーズニングの重要性を非常に問われています。


どういうことかというと、簡単にいえば名探偵が犯人をたどりつくときに、一つの情報から様々な推理(仮説)を立て、頭の中で実践検証し、一番確実な証拠にたどりつく仮説から犯人を割り出すときの思考過程といえます。

ですので、医師や鍼灸・マッサージの分野における対症療法とは全く異なる点があります。

例えば、「腰が痛い」と患者さんが来院された場合、多くの医師はその痛みに対する処置(投薬等)は行いますが、その起こっている原因については、X-Pによる骨の確認等は行うものの、軟部組織や関節などまたその痛みを作り出している原因については深くは追求しません。

理学療法では、この痛みを引き起こしているのは「なぜか?」ということを追求していくことが専門性であると言えます。


このクリニカル・リーズニングの臨床実践の中で感じた有用性は、上述したように、「腰が痛い」症状を引き起こしている原因は「腰」に限局しているとは限らないという思考回路を持てるので、問題点を把握する可能性が高い。つまり、幅広く多角的に攻められるという利点があると思います。

ですので、私はこの更新のない2ヶ月間、クリニカル・リーズニングをしっかりと臨床で考えることで様々な発見をすることができました。

職員教育や学生指導の中にも取り入れることで、2~3回指導をすると驚くほど、思考能力「考え方」が変わった人もいます。

ということは、潜在的に持っているということですね。

これからしばらくは、こうした臨床実践例の中でクリニカル・リーズニングについて考えていきたいと思います。
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by kengou0820 | 2011-11-13 10:32 | リハビリの研究~文献抄読~