クリニカル・リーズニング

約2か月ぶりの更新となりますが、今日はクリニカル・リーズニングについて考えていきたいと思います。

今、理学療法の世界では、このクリニカル・リーズニングの重要性を非常に問われています。


どういうことかというと、簡単にいえば名探偵が犯人をたどりつくときに、一つの情報から様々な推理(仮説)を立て、頭の中で実践検証し、一番確実な証拠にたどりつく仮説から犯人を割り出すときの思考過程といえます。

ですので、医師や鍼灸・マッサージの分野における対症療法とは全く異なる点があります。

例えば、「腰が痛い」と患者さんが来院された場合、多くの医師はその痛みに対する処置(投薬等)は行いますが、その起こっている原因については、X-Pによる骨の確認等は行うものの、軟部組織や関節などまたその痛みを作り出している原因については深くは追求しません。

理学療法では、この痛みを引き起こしているのは「なぜか?」ということを追求していくことが専門性であると言えます。


このクリニカル・リーズニングの臨床実践の中で感じた有用性は、上述したように、「腰が痛い」症状を引き起こしている原因は「腰」に限局しているとは限らないという思考回路を持てるので、問題点を把握する可能性が高い。つまり、幅広く多角的に攻められるという利点があると思います。

ですので、私はこの更新のない2ヶ月間、クリニカル・リーズニングをしっかりと臨床で考えることで様々な発見をすることができました。

職員教育や学生指導の中にも取り入れることで、2~3回指導をすると驚くほど、思考能力「考え方」が変わった人もいます。

ということは、潜在的に持っているということですね。

これからしばらくは、こうした臨床実践例の中でクリニカル・リーズニングについて考えていきたいと思います。
[PR]

# by kengou0820 | 2011-11-13 10:32 | リハビリの研究~文献抄読~

ダックスの予後

最近ダックスを見ていて、やっぱり予後がいい子が増えています。

たとえばグレード4(結構な重症な度合いです。)の子でも、最初は「ちょっと立つのは無理かな・・・。」なんて思っていても、1ヶ月後には、かなり足が動いて、その次の月には立てるようになっていたりと、回復具合に今まで感じたことのない印象が・・・。

おかげで、私自身もこの子が歩けるラインまで迎えるかどうかが明確になってきた部分がでてきました。

今日は、オーナーさんの話も踏まえての回復ラインの提示を3つお伝えします。

つまり、この段階で自身と一緒に住まわれている子が経過をたどっていれば、可能性があるということです。

1.足が動くか?その足は、立つ姿勢を取らせると、足が支えるような反応を見せているか?
→つまり、基本姿勢は立つということです。これができないのに、歩くことは決してできません。4つ足動物の特性を考えると、必ず確認しておきたいことであります。

2.立った姿勢を維持できる。また、その状態で足を踏み出させると反応して踏み出すことができる。
→立った姿勢が維持できるようになれば、足を少しでも出せるかどうかです。このとき、状態は3つ足でバランスがとれるかです。コアスタビリティが必要なのは、特にこの3つ足の時です。

3.身体を支えてあげれば、足をリズムよく動かして歩くような格好ができる。
→歩行はリズムが必要です。足を交互にまたは、右前足と左後足の交互性のある対角線リズムが大事となります。これが、スムーズに左右に切り替わっていれば、歩行が実現される可能性が高くなります。

こうしたポイントを想定して、各段階における予後をお伝えしています。

もし、分からないことがあればどんどん質問をください。

今のところ、だいたいの子がこの法則にあたって予後判定ができています。

まあ、症例数はまだまだ少ないですけど・・・。
[PR]

# by kengou0820 | 2011-09-04 15:52 | リハビリテーション実践日記

犬の認知症テスト

c0145975_204055.jpg


犬にも認知症のテストがあるみたいです。

ということは、脳萎縮みたいないわゆるアルツハイマーのようなことが犬にも起こるということですね。

愛犬がこんなことになるのは少々辛いですが、一つの知識としてもっておけば早期解決になるかもしれません。

なんでも予防が大事!!

人事と思わず、前もって知識を蓄えておけば、対応もできますしね。

ちなみに痴呆というのは、差別語になりますから、現在は認知症という言葉が主流です。

言葉にも気をつけなければですね。
[PR]

# by kengou0820 | 2011-08-26 02:03 | トピックス

障害犬でも感触を!!

常日頃の臨床スタイルをどの場面でも活かせるように日々研究していくことが本当に楽しい毎日ですが、この最近コアマッスルという言葉が流通しています。

このコアマッスル、スポーツの世界から臨床場面まで様々に使われています。

いわゆる体幹~骨盤帯周囲についている筋肉のことを指しますが、臨床では、私が常に言っているように、ハムストリングスのなどの抗重力姿勢筋群である下肢筋群なども含まれます。

今回試したのは、ヘルニアで長期間経過したご存じグーちゃんです。

グーちゃんは、足の動きそのものは良くなってきていますが、それが立位になると崩れて緊張が低いかのようにぐらぐらしてしまいます。(実際には姿勢を保つまでの緊張には足りていませんが・・)

でも、少しでも良い姿勢で立つことが、いろんな活動の中で必要ですし、廃用という使わないことによる弱化を起こすわけにはいきません。

そこで、今日は、肋骨と腹部の軟部組織の辺りをやさしく把持しました。(横隔膜及び肋間筋の収縮を高めていくように)

c0145975_013612.jpg


お腹の収縮が出てくると・・、下図のように腹筋辺りにも行い、呼吸と同時に骨盤の動きを入れていきました。

c0145975_0131540.jpg


すると、両サイドの筋腹が見られ、手足の重さが減ってきました。と同時に、完全に立つことはできませんでしたが、足の支持する感触が強くなったのです。

これは、障害犬にもこうした筋群の活動が手足の動きを良くしたりするのに、土台になっていることがはっきりと言えます。筋電図があればよりいいのですが・・・。

犬にも運動時にコアマッスルが機能しなければ、上手く立ったりできないということです。

今後は、さらに筋肉の学習を行って、より確かな筋肉の活性化を行っていければと思います。

犬にもコアマッスル!!!嬉しい発見でした!!!
[PR]

# by kengou0820 | 2011-07-12 00:23 | リハビリテーション実践日記

足部の重要性と臨床的解釈

人が2足直立姿勢を維持するとき、愉一地面と接しているのは、この足部です。

足には、多くのメカノレセプター(固有受容器)が存在し、たとえばバランスを崩しそうになると細かい骨の運動がそのバランスの崩れを検知すると同時に、解決の方向(立て直す)に導きます。

しかし、足の動きに合わせて、上の膝関節や股関節、そして骨盤帯から上部体幹が重心の変化に合わせて筋活動を変化させないとならないので、ナックリングを起こしているようなダックスの症例では、確実性のない立ち姿勢ということになります。

ということは、考えなければならないことは二つ。

一つは、足部そのものの評価。

足の形や体重のかけ方などが上手くいっていないときは、実はそこから上の股関節などが協調しませんので、この状態をリハビリしていかなければなりません。

以下の文献がそれを示しています。

閉鎖運動連鎖(以下CKC)は足底を接地した状態で行い、股関節や足関節の動きをともなうことが基本であり、下肢全体の協調した筋収縮が促されます。身体運動のほとんどが筋群の協調した活動であることを考慮すれば、CKCトレーニングは有効な下肢の筋収縮が行えます。

足部をしっかりと着いた状態を常に維持していくことは、どの人や犬を見ていてもそうですね。つまり、何かの時に足をしっかりと着いていないときは異常であると考えられます。


もう一つは、足部からその上の問題。

つまり、足部がしっかり着いていても、その上の形状が異常であったり、筋活動が起こせなければ同じような現象が起こるかもしれません。

どちらにしても、左右差を確認しながら足部をしっかりと着け、膝~股関節~骨盤帯を見ておかなければならないということは間違いありません。

これは、筋の協調関係を確認するのであり、パワーを見ているのではありませんので、あしからず。

c0145975_043212.jpg


理学療法の基本は全身の協調と考えています。
[PR]

# by kengou0820 | 2011-07-08 23:38 | リハビリの研究~文献抄読~

反射における臨床的な解釈

犬の脊髄障害の代表例として、ミニチュア・ダックスフンドやコーギーにおけるヘルニアがあります。

おもに、脊髄の中でも腰椎部に多く、下肢の麻痺や排尿・排便障害を起こすことは知られています。

そして、この回復過程において、よく反射という言葉を聞くと思いますが、この反射はどのように解釈していけばよいでしょうか??

反射は、回復を示すうえで理学療法評価に含まれます。

反射というものは、脊髄ループ(簡単に解釈すると電気コードのようなもの)の中で、感覚情報(触ったり・つねったりなどの痛み・熱い冷たいなどの温度刺激など)を通してこれらの反射行動を起こします。

私たちもこれらの反射のお陰で、熱いものを触った時にもパッとひっこめたりするわけで、ピンチのときにも、こうしたメカニズムが私たちの生命を守るというわけです。逆に、先天性無痛覚症の人は痛みを感じないので、やけどを平気でおったり、骨を折っても分からないということになります。

ということは、私たちが正常発達をしていく段階で、こうした反射に守られながら、重力に抗して生きていく術を正常運動として学習していくのです。

大脳が発達していくに連れて、こうした反射は消失し、随意運動という私たちが日常生活の中で、目的をもった行動に対して、四肢を動かしているわけです。

でも、消失しているはずの反射も、先ほども述べたように何かのきっかけで突然現れます。

つまり、随意運動と反射はお互いが協調しあって、一つの目的動作を作り出すわけです。麻痺した手足は随意運動は起こせませんが、犬では反射が回復するということは、もしかしたら随意運動も起こせる可能性があるのでは?と考えられることもできます。

もちろん、何がおきているのかは分かりませんが、このように仮説を持って行うことが大事であると思います。

反射は、大事な要素の一つであるということを理解しておけば、リハビリテーションにおける幅も増えるかもしれませんね。
[PR]

# by kengou0820 | 2011-07-06 22:13 | リハビリの研究~文献抄読~

感覚とは

今日は、感覚について考えていきたいと思います。

ひとまず一般的に感覚というと考えられるのは、絵を描く時の筆のタッチの感覚や、運動をしているときに身体を動かす「この感覚だよ!」なんて使う場面をよく見ます。

要は、何かしら課題や環境に対して働きかけるときには、何かを情報として身体で受けながら、運動を介して表現し、感覚していると言えます。

感覚の定義は、特定の器官を通じて外界環境や身体内部に関する刺激を選択的に受容し、上位の大脳にその情報を送るとあります。

大脳は、その情報を基に運動を組み立てたりして、脊髄で実行させます。その時の姿勢なども様々な経路を使って同時進行に進めているわけです。


ところが、障害を受けた人・犬はどうでしょう?

麻痺があるということは、運動だけでなく、感覚器官である皮膚や筋肉そして、その中にある感覚受容器にも影響を及ぼします。


こちらが、Aという適切な刺激を感覚器官に対して入れたとしましょう。
(Aという感覚を皮膚のマッサージとします。)

ところが、麻痺により感覚に異常がある皮膚に私たちが思っているような触り方で行うと、Aのつもりで送った感覚が、実は脳ではBという感覚を受容する可能性があります。

その結果、脳は快・不快を表わし、不快であれば嫌がったり、最悪怒ったりするわけです。

となると、一工夫が必要です。

ただ、触るだけでは決してなく、触った時にどのような反応を示すかといった感覚の強さなどを変えなければなりません。

なので、ただ触ることが大事ではなく、触り方が非常に重要なのです。


今回のように勉強会や日々の臨床の中で感じたことを素直に文献を通して記述できればいいなと考えています。

では、次の機会には様々なエビデンスなども通して、綴っていきたいと思います。
[PR]

# by kengou0820 | 2011-07-04 01:44 | リハビリの研究~文献抄読~

ハムストリングスをもう一度勉強します!!

今日は、リクエストに対する返信コーナーです。

今日のテーマは、背中が丸い子に対する考え方です。

まずは、この文章を解釈していきますね・・・。

>色々なところからこちらのブログに行き着きました。

>今年の2月にヘルニアの手術をした3歳半のアメリカンコッカーの女の子がいるのですが、術前のヘルニアの重度から約4ヶ月たった今はお外にもお散歩に行けるレベルまで回復しました。

>今気になっていることは、手術をした背骨部分が盛り上がっているのですが、歩く姿勢が背中の真ん中辺りを中心に頭とお尻が下がった状態で歩いています。
力が主に前足にかかっており、時々食事時にご飯を一生懸命食べようとするあまり、後ろ足が持ち上がってしまうような状況です。

>上記に書かれているとおりこれはヒップダウンとそしてヘッドダウンとでも言うのでしょうか。


ヘルニアは難病ですが、ここまで回復できたということが素晴らしいですね。

しかし、問題が全くないわけではありません。

まずは、背骨の手術部分を中心にお尻が下がった状態であることは、ヘルニア4か月経過後に引き起こされた筋力低下を考えていくべきです。

そして、その筋肉は以前にも紹介した抗重力筋であるハムストリングスの筋力低下が一番に考えられます。

ハムストリングスについては、以前のブログに載せております。

反射の強化と落ちていないかという確認のためにも、肉球を刺激し、引っ込み反射を利用した膝の屈曲運動を行います。

膝屈曲の主動作筋は、ハムストリングスです。

また、この筋肉は、立っているときは、表側の大腿四頭筋と協調して姿勢を維持するために働きます。

ヒップダウンの状態は、ハムストリングスが筋力低下を起こした際に見られる私が名付けた現象の一つです。

大腿四頭筋との関係性の中で起こることですが、ハムストリングスのほうが鍛えることでこれらの姿勢の改善が見られましたので、おそらく問題はここであると思います。

鍛え方に関しては、過去のブログを参照していただければ載っていますし、希望があれば改めて写真を交えながら書いていこうと思います。
[PR]

# by kengou0820 | 2011-06-16 00:49 | リクエストコーナー

本は何??

今日はiceblueさんからのリクエストです。

理学療法に携わる人には、ある程度の概要・理論などが分かると思いますが、獣医師などリハビリテーションという言葉にさえ慣れていない人にはどのような勉強が必要なのか、正直迷うところだと思います。

私は、普段から確認のために書籍を用いることはありますが、症例から学ぶということを忘れません。

とはいえ、基本的な知識がないとそれさえも見逃すかもしれませんね。

私は、リハビリテーションで大事なことは基本的なこと(用語など)の理解と、実践における評価と治療だと思っています。

そんな中で、このような書籍をおすすめします。
c0145975_23811.jpg
c0145975_2381131.jpg


この2冊にて基本的なことを抑えてみてはどうでしょうか?

下のほうは、評価と治療の考えもありますので、読みやすいかもしれません。

また、ブログ内履歴にも評価と治療などはありますし、私のブログでもできる限り、足跡を残していきたいと思います。

ですので、リクエストをどんどん受け付けますね。
[PR]

# by kengou0820 | 2011-06-05 02:40 | リクエストコーナー

軽井沢へ旅行

昨日と今日で軽井沢へ旅行に出かけました。

泊まったのは、ウルラブと泊まれるホテル「軽井沢ジャルジーノ」という所。

庭つきの部屋ですぐに散歩に出かけられる広さがとても印象的でした。

ディナーをいただいた後、犬のケーキが出てきました。

ウルラブ興味津津です。

ひとこと「ウルラブ いつもありがとう」

ささやかな言葉ですが、ケーキにすると、実に伝わる・・・・。

c0145975_229221.jpg


お味は・・・?016.gif

ひとこと欄は速攻で食べていました。016.gif

ケーキはすぐに食べてしまいました003.gif003.gif

これからもよろしくね053.gif
[PR]

# by kengou0820 | 2011-06-01 22:14 | 愛犬・犬を綴る