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反射における臨床的な解釈

犬の脊髄障害の代表例として、ミニチュア・ダックスフンドやコーギーにおけるヘルニアがあります。

おもに、脊髄の中でも腰椎部に多く、下肢の麻痺や排尿・排便障害を起こすことは知られています。

そして、この回復過程において、よく反射という言葉を聞くと思いますが、この反射はどのように解釈していけばよいでしょうか??

反射は、回復を示すうえで理学療法評価に含まれます。

反射というものは、脊髄ループ(簡単に解釈すると電気コードのようなもの)の中で、感覚情報(触ったり・つねったりなどの痛み・熱い冷たいなどの温度刺激など)を通してこれらの反射行動を起こします。

私たちもこれらの反射のお陰で、熱いものを触った時にもパッとひっこめたりするわけで、ピンチのときにも、こうしたメカニズムが私たちの生命を守るというわけです。逆に、先天性無痛覚症の人は痛みを感じないので、やけどを平気でおったり、骨を折っても分からないということになります。

ということは、私たちが正常発達をしていく段階で、こうした反射に守られながら、重力に抗して生きていく術を正常運動として学習していくのです。

大脳が発達していくに連れて、こうした反射は消失し、随意運動という私たちが日常生活の中で、目的をもった行動に対して、四肢を動かしているわけです。

でも、消失しているはずの反射も、先ほども述べたように何かのきっかけで突然現れます。

つまり、随意運動と反射はお互いが協調しあって、一つの目的動作を作り出すわけです。麻痺した手足は随意運動は起こせませんが、犬では反射が回復するということは、もしかしたら随意運動も起こせる可能性があるのでは?と考えられることもできます。

もちろん、何がおきているのかは分かりませんが、このように仮説を持って行うことが大事であると思います。

反射は、大事な要素の一つであるということを理解しておけば、リハビリテーションにおける幅も増えるかもしれませんね。

by kengou0820 | 2011-07-06 22:13 | リハビリの研究~文献抄読~