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ナナちゃんの治療実施~1月26日~

 今日の症例はナナちゃんです。フレンチブルドッグのメス5歳。腰椎の手術後、後肢の麻痺になった症例です。手術は12月で、初回に関わったときは術後一週間。1月にはいって今日が今年初治療です。
 彼女はとてもフレンドリーで、私が行くと飛びつくように来てくれました。そしてすぐに身体を向け、「すぐにでもして!」と言わんばかりの状態に・・・。005.gif
 彼女は初回よりも足が支えになっており、少しの立位姿勢は可能なようです。そして、右足が少し動くようになっていましたが、これは反射レベルでした。
 まずは、彼女にもっと明るい子になって欲しいと思い、関わることにしました。
 身体機能面では下記のように左下肢での支えは困難で、体幹の筋力も劣っていました。まずは、この部分の改善・維持を行い、立位バランスにつなげればと思います。
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 後ろ足の可動域向上訓練(ROM)です。きちんとした座位をとらせる為。、関節の柔軟性は大切です。動かしながら、突っ張っているところは肉球を刺激しながら曲げていきました。肉球刺激は当初、下肢の感覚を重視するために行っていましたが、屈曲反射がでるため、常に下肢を突っ張っているこの子には、違う刺激を入れたかったのです。 

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 これは座位バランス訓練です。両方のお尻で支えながら、体幹を使っていく練習が中心です。彼女は、左体幹で支えることができず、バランスも左に崩れていました。この練習により、立位訓練でも、左に崩れる要素が少なくなりました。(数秒ですが、保持できました。)このように、体幹は四肢を支える重要な機能を持つ部位です。ここの治療を行うことは全ての障害犬に不可欠です。是非やってみてください。ジャーキーなどおやつをあげながら行うと、体幹の練習はもっと画期的なものになります。

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 立位では後足に荷重する訓練です。この後歩行を行い、彼女はへとへとでした。
 体力が落ちている様子で、今日の訓練により、かなり体力をつかったのでしょう。
 後少し様子を見てから車椅子の相談を行ってみたいと思います。短期間でこれだけ体力が落ちるなら、多少なりとも動ける車椅子を使った方が、心肺機能の向上・維持にもなるし、ストレスの軽減にもつながりますから。
 こういう理由からも、車椅子の使用と理学療法は必要なことがわかりました。

 今度は、自宅でのホームプログラムなどを考えて治療に関わりたいと思います。 

by kengou0820 | 2008-01-26 22:17 | リハビリテーション実践日記